愛の奥宮殿へ



『発覚 〜その後〜

Presented by みんみんまま様



「これはどういうことぞ!?」

いい座間、腕首を掴まれる。
うっわ〜〜みつかっちゃったぁ〜
ど・ど・どーしよう〜!


すぐさま、王宮へと連行される。
道すがら沈黙の行をなす彼に気まずく、頻りに詫びるもまったく相手にしてもらえない。
隣に馬を進める彼の腹心の将軍に助けを求めたいのかそちらへと視線を送った。
しかし、その彼にもにこやかに肩を竦められただけであった。
馬の蹄の音だけが楽しげに綾をなす―――

宮中においては荷物のように運ばれるに至っていた。
どんどん、彼を取り巻く怒りの濃密さが増す。
たまらないのは彼女だ。
これからどうなるんだろう??
お願い何かしゃべって!!
心の中でも叫んでいた―――

「さて・・・どうしたものか」
目の前に竦みあがっている妃にようやく言葉を発した。
しばらく逡巡した後、彼はついと席をたち部屋を出て行った―――
予想外の展開に呆然とする妃。
あまりに予想外である。
どんな罰を受けるのか――どんなに怒られるのか――
頭を駆け巡っていただけに彼の淡白な――何ひとつ責められもせず――対応にどうしたらよいのか瞑目するばかりであった。


次の日
目覚めるといつも通り侍女に手伝ってもらい身支度をする。
そう、いつも通り――身支度を終え席を立つ。

――しゃんっ♪

「・・・えっ」

っしゃん しゃん・・・・・♪

それは彼女の足元から聴こえた。
足に履かれたサンダルから・・・それは楽しげに。
「なっ、なにこれ〜?」
周りの侍女達が苦笑している。
そうであろう。耳障りなわけではないが。
大きすぎるわけでもない。・・・がけして小さすぎる音でもない。
これではどこにいるか隣室にいても響き渡り筒抜けであろう。
「ファラオからの贈り物でございます」
「贈り物〜〜?」

そのとき、物陰から始終を見ていたファラオが声を掛ける。
「そなたの履物にはすべて鈴を付けるように致したぞ」
「すっ、鈴って・・・私っ猫じゃぁないわよ!」
「そうよな、猫であれば自由に外歩きしても咎はないが・・・」
だんだん語気が荒ぶってくる。
「そなた、それを履くのと寝室に鎖でつながれるのとどちらが良いと申すのだ?!」
「だ、だってぇ〜」
「そうよな、そのように音が出ては一人で抜けだせまい」
・ ・・う〜〜〜こんなの身に付けている王妃なんていないわよっ!
「あなたがいけないのよ!!部屋からでるなと命令するんだもの!!」
「ふぅむ。私が悪いのか??私だけが・・・?!」
彼の背中に不穏な空気が漂いはじめたようだ。まずい。
視線が部屋をなめまわし、どこに鎖を取り付けようか思案しているようである。
「やはり寝室のほうが・・・?」
「ごめんなさいっ!!」

・・・これで済んだことを神に感謝しよう。。。アーメン・・・ by Carol



 副題 「ぴこぴこサンダル」 我が家の3歳の娘が履いてます。(Fromみんみんまま様)







Fin.