中華街へ         T



― エドワード海外撮影ロケ隊 ―

飛天の国 敦煌・シルクロード U

すばる & ジャック & PLEIADES & エドワード


2006 9/23 〜 10/1



5日目 9月27日 晴れ  *** 嘉峪関(かよくかん)⇒敦煌 *** 


J 『万里の長城』で最も西にある関所 『嘉峪関(かよくかん)』 に到着です。

E ・・・・・コレはまた・・・立派ダネェ。

P ふぉォ〜。巨大〜・・ (上を見上げてあんぐり)

世界遺産 嘉峪関長城

万里の長城最西端を守る関所です。

高さ10.7mの城壁に囲まれています。

S こういう風な『砦』っていうものを目の当たりにするとワクワクしちゃうわ♪
  それにしてもこんなに大きなものとは知らなかった。 関所というより、城砦都市ね。

P 歴史ロマンよね〜。大迫力よ!

J まさに古代中国の『最果て』ですからね。(^^)
  異民族との攻防の最前線ですが、文明の交流最前線でもあったはずですよ。

E ボクもさっき異文化交流してきたヨ。
  中国の観光客の人たちがみんなボクを見ると足を止めるんだ。
  やっぱりここで金髪は目立つヨネ。

S そ、それもあるけどね〜(汗汗) 
  ・・・撮影してるわたくしはもっと怪しい視線を受けてたりするのよ(←小声でごにょごにょ)

P お姉様、それも立派な異文化交流かもよ。 『日本』 の 『おたく文化』 の。(苦笑)

S ・・・・・・・べつに好きでやってるからいいけれどね。




【嘉峪関から敦煌へ】

P え〜っと・・・ ところでこれから敦煌までどのくらい?

J そうですね。ざっと車で6時間ぐらいでしょうか。

P へぇ〜・・(タラリ)。・・・・・・この、み、道、結構揺れるんですけど。
  (工事中のところもあって、砂地や凸凹がスリリングで・・・)

J 最終目的地への楽しい道のりですって。(苦笑)
  最近では敦煌へは飛行機を使うことが多いので、
  実際に地面を走ってシルクロードを行くなんて体験はなかなか出来ない事なんですよ。

E ア! 湖ダ! すごい 青い!!


S 空の色が映っているのよ。
  急に砂漠にぽかっと現れるからびっくりするわね。

J ええ。 空からだと水溜り程度にしか見えませんけど
  地上からだととても神秘的で綺麗ですね。
  砂漠の中だから水の青さが余計にありがたく感じます。
  昔の旅人も水を見るとさぞかしほっとした事でしょうね。。

砂漠を駆け抜ける鉄道 巨大な風力発電基地 途中の瓜州で食べた 『ハミ瓜』
めちゃくちゃ甘くて美味しかったですよ♪


【砂漠を爆走・・・・6時間後】

J お嬢様方、前方ご覧下さい! ほら、もうすぐ日没です。

S まあぁ!!! 綺麗〜〜♪♪すごい〜!!!!

P 地平線に落ちていく! もう少し! あと少し!!
一面黄金色にそまった天空!
神秘的な空気が満ちていきます
大地に太陽が着地!
本当に息をのむ美しさです!
地上から消えた瞬間
なんともいえない淡い残光が空に広がりました。

(太陽が地平線に落ちていく約1分間、車内は大天体ショーで全員感動の拍手喝采!!!)


S ああいう太陽を毎日みていたら、本当に『太陽の神様』って自然に拝むわね。

P ええ。なんていうか・・厳かなありがたいものに見守られているんだなと。。
  沈んでいく時、思わず切なくなっちゃったもの。『おいていかないで』みたいな・・。

E 地平線の日の入りって初めて見たケド、卵の黄身が落っこちていくみたいだったネ〜。
  美味しそうなぽってり食べごろ『半熟タマゴ色』。 全然まぶしくないんダ。

J 君ね・・・・(苦笑) 感動の嵐が一瞬にして空腹の鐘にすりかわりましたよ。

E ダッテ、もうすぐ20:00ダヨ。

P え? もうそんな時間?

J 中国はどこでも北京時間で統一されていますからね。確かにまだ明るいですけど20:00です。
  まぁ、これだけ西に来れば実際のところ北京と2時間ぐらい時差があってもいいんですけどね。

S さあ、いよいよ敦煌だわ!
  みんな、しっかり食べて寝て、明日からのロケに備えるわよ!!(笑)

敦煌到着♪ 
市内中心の飛天像
『反弾琵琶像』
ホテルのお出迎えは
唐代風美女。
やたらと障子張りな内装のお部屋。『日本式ルーム』と説明がありました。
日本人客が多いからか、ホテル内に日本の居酒屋までありました。
いや、別にそこまでしてくれなくても・・・(苦笑)






6日目  9月28日 晴れ  *** 敦煌 (莫高窟&鳴沙山) *** 

【敦煌(とんこう)  世界遺産・莫高窟(ばっこうくつ)

E 早上好(ザオ シャン ハオ)。   (←おはようの中国語です。)
  敦煌ってずいぶん気温が低いんだネ。

J ザオ シャン ハオ。エドワード君。
  今朝は7℃です。
  昼には25℃は越えますけど、朝のうちは上着を持って行った方がいいですね。

S 『朝は防寒具、昼はTシャツ、夜は暖炉でスイカを食べる』。。。。って本当なのね。

P 上着OK!懐中電灯OK! で、他に『莫高窟』で必要なものは?

J 一応カメラも。

P 撮影禁止なんでしょう?

J 正面入り口までは大丈夫です。
  石窟に入る時はデジカメはポケットにでも入れておいてください。

S 大きなカバンの持ち込みも禁止だからバスに置いておいてと。
  あとは貴重品だけね。

J はい。できるだけ身軽にお願いしますね。



世界遺産 莫高窟
←莫高窟のシンボル第96窟   ↑莫高窟全景

J 莫高窟は鳴沙山の東壁面に掘られた中国最大の石窟群の総称です。
  約1000を越える石窟が掘られ、石窟の仏教壁画や塑像の見事さは
  世界的に有名で『仏教芸術の宝庫』と称えられています。
  また、極彩色に彩られる数多くの優美な『飛天』も見所の一つですね。

S 日本では映画『敦煌』で莫高窟が印象的なラストシーンを飾ったわよね。

P 戦火に焼き尽くされそうになった貴重な仏典や膨大な書物を守ろうと
  命の危険を顧みず、主人公の青年が仲間と一緒に莫高窟に隠すのよね。
  その時「これも一緒に埋めてくれ」と愛した人からもらったエメラルドの首飾りも
  書物と一緒に埋めるんだけど。。。
  キラリと最後に光って歴史の闇に消えて終わる映像が、切なくて素敵だったわ・・・。

J そのお話の題材になった莫高窟の『蔵経楼』は第17窟です。
  ここで発見された約4万巻にものぼる『敦煌文書』はあまりに有名ですね。
  莫高窟を世界に知らしめた貴重な文字資料ですが、世界各国の探検隊により
  世界中に散逸しました。

P ええっと・・第17窟っと・・・ 
  (絶句) うそっ!!ここ日本人ばっかりじゃない!!!

E そもそも莫高窟の観光客の半分は日本人なんダッテさ。

S 平山郁夫井上靖NHKパワーかしらね。
  すれ違う人、確かにほとんど日本人観光客だし。。。。
  あら、『こんにちは』。そちらはどちらから?(←通りすがりの他の日本人団体に遭遇中)

J (笑)ほんとに、普通に日本語が通じる妙に特異な観光地ですよね。

P ハワイ並みなんじゃない? 
  売店の売り子さんも全員日本語オンリーで、断固として中国語使ってくれなかったし。
  通貨も日本円しか受け取らない勢いなのよ。なんだか怖いくらいだわ。

E ウ〜ン・・・日本人ほど「おみやげ物」買うのが好きな人種はいないからネ。(笑)
  一致団結、全力投球でかかってくる商魂の逞しさなんテ、かえって感動して見とれるヨ。

 ★莫高窟では壁画の退色を避ける為、窟内に照明は有りません。見学の再には必ず懐中電灯を持参しましょう。
   石窟の奥まで光の届く強力なライトがお勧めですよ。






【敦煌(とんこう)  鳴沙山(めいさざん)】  

S 月の〜さばぁくを〜 は〜ぁるぅ〜 ばぁるとぉ〜♪って感じ?

P こういう風景見ると、やっぱり歌いたくなるわよねぇ(笑)

J おや?鳴沙山名物のラクダ お嬢様方は乗らないんですか?

P え? (汗汗)いえ・・・・ちょっと・・・・(←あとずさり)
J ?

S ・・・・・・・わたくしも遠慮しておくわ。

J どうなさったんです?
  いつもは好奇心旺盛でなんでも飛びつかれるのに。

P 自分より大きい動物って基本的に『恐い』の。
  さっき近寄ったら 歯をむかれたし

S ・・っていうか・・・・・ ラクダがこんなに『におう』とは予想外だったの。(←本音)

E アハハそーだネ。 けっこう『クサイ』よねェ。 2〜3頭ぐらいならたいしたことなかったケド、
  ココ、ゆうに100頭は越えて待機してるカラネ。

J 確かに・・・(苦笑)。ラクダ市みたいですね。
  わたくしもこんなに群れている状態って初めて見ましたよ。
↑砂漠で有名な敦煌の鳴沙山 驚くほどたくさんの観光用ラクダが待っていました。



S さて、エドワード君♪
 今回のツアーでの一番のイベント『鳴沙山ロケ』をはじめるわよ。

E OK。すごい見晴らしダネ。 月牙泉(げつがせん)をバックに撮影会なんて
  ホント贅沢。是非記念に綺麗に撮って欲しいナ。

S もちろんよ。敦煌まで苦労して君を連れてきたの何の為だと思っているのよ。(笑)
鳴沙山の山頂まで必死で登って
撮影してきました。

↑ エドワード君の立ってる場所、
実はかなりの傾斜角のある急斜面で、
転げ落ちたら冗談ではすまなかったり
する所だったりします。


J お疲れ様でした。いかがでしたか?上手く撮れました?

S そりゃあ、死ぬ気で(?)がんばった甲斐はあったと思うわよ。
  景色が雄大だと撮り応えあるわね〜♪ 撮っても撮っても飽きないもの♪

E そうダネ。すごく優雅な気分にナルヨ。

S そうそう。画質の良い大きな画像は『エドワードのお部屋』
  飾っているから良かったら寄ってみてね。(ご機嫌)





7日目 9月29日 晴れ  *** 砂に消えた万里の長城 ***  

J  『西のかた 陽関(ようかん)をいずれば 故人 なからん・・・』(王維)
   今日は最果ての象徴とされた遺跡を巡ります。
   古代中国の『西の果て』へまいりましょう。

S 砂漠の地平線のはるか彼方に残る遺跡
  砂嵐に削られて、今はもう僅かにその痕跡が残るだけなのね。
  ・・・・・でも残っているだけですごいことかも。跡形も残らず・・でもおかしくないものね。

P 残骸だけでも残っているということは、その遺跡、かつては相当強固であった証拠よね。

J 見えてきましたよ。あちらが『陽関』
  漢代に西域の最西端の関門として築かれたものです。
  玄奘三蔵が天竺から帰国する際、ここを通過しているそうですよ。


P へぇ〜 そうなの。。。
  こんな最果てから西安まで帰国・・・・歩いてよね。
  ・・・・・高速道路なんてないものね。

S なに当たり前なこと言ってるのよ。

J う〜ん。。。。。
  馬くらいなら多少乗っていたと思いますよ。(^^ゞ







【陽関を離れること車で北に約1時間】



E 万里の長城ダ!
  砂とワラを重ねて作った形になってるケド、一体どこまで続いているんだロウ?

J 本当に・・・どこまででしょうね。

P 『龍の体は天と地の彼方に消える・・・』
  そんな例えの言葉をどこかで聞いた事あるわよ。

S いい例えよね。まさにその通りだわ。
  これは漢代の長城だそうだけど、2000年も昔にこんな遥かな土木工事をしていたなんて
  考えただけでも気が遠くなりそう。。。。

J そうですね。 中国の人海戦術の途方もなさには本当に驚かされるばかりです。



←玉門関(ぎょくもんかん)にて


こちらも陽関とならぶ有名な古代西域の関所。

王之渙(おうしかん)の 『涼州詞』 に出てくる場所としても有名です。

『黄河遠く上る 白雲の間
 一片の孤城 万じんの山
    羌笛なんぞもちいん 楊柳を怨むを
        春光わたらず 玉門関・・・』





【敦煌スナップ】

自由市場 敦煌の台所♪
果物は非常に美味でしたよ。

敦煌 清真寺(イスラムモスク)

エドワード君サイズの上着がなぜか敦煌の
おみやげ屋さんにあって、思わず 『試着』 購入。
店員さん、その様子に思いっきり笑って下さいました。




8日目 9月30日 晴れ  *** 敦煌 ⇒ 北京 ***  
敦煌空港にて。。】
E 敦煌とももうお別れ。あっという間だったネ

S 本当に。名残惜しいわ。

P 砂漠も堪能したし、 『蜃気楼』も見たし、
  夜空の『天の川』も生まれて初めてこの目で見れたし。。
  あれは正直感涙ものだったわ。

J 敦煌の夜空は本当に素晴らしかったですね。
  わたくしもまさか、こんなに綺麗に星が見えるとは思いませんでしたので。

S 空気が乾燥しているのと、周りが砂漠で夜中の電気が比較的少ないことが大きいわね。

P あ〜ん・・・もっと敦煌の夜明けを見ていたかったわ〜〜っっ
  地平線が白むずっと前の時間に、真っ暗な闇に太陽の光の玉が夜明けの先触れで空に飛ぶのよ!
  多分大気に反射する加減のせいだと思うんだけど。。。。。
  あんな現象、口でどんなに説明しても表現できないわ。

E 幻想的・・・というか、まさに神々しい天空のドラマだったネ。

S 声を失う美しさ・・・・・よね。
  できることならまたお目にかかりたいものわ。(^^)



敦煌空港は
地上からタラップで搭乗します。
敦煌付近上空
眼下は全て一面の砂漠でした。






9日目 10月1日 晴れ  *** 北京 ⇒ 帰国 ***  
P さて、最終日は午前便で日本直行だから、今日は本当に飛行機に乗るだけの日ね。

J 本日は中国の建国記念日『国慶節』で、今日から1週間、中国は『ゴールデンウィーク』になるんです。
  北京空港、きっと中国人旅行客でごったがえしていますよ。

S ・・・・あまりありがたくないわね。(←人ごみが苦手)

J 最後に恒例のお食事コーナーとまいりましょうか。(^^)

P は〜い。 ご飯についてはわたくしが一生懸命撮影してきました♪
  今回はこんなお料理を食べてきましたよ。
  あいかわらず食べきれないほどの量でしたけど、どれもとても美味しかったです。


E 色々食べつくしたねェ。。 これだけ食べて痩せたんダッケ?

S そうなのよ。 お肉が多そうに見えるけど、実際はとにかくお野菜が多くてね。
  繊維たっぷりおなかいっぱいっていう感じだったのよ。

P それではそろそろこれにて『おひらき』とさせていただきます。
  最後までご覧頂きどうもありがとう。

S また旅先の話題でお目にかかれることを楽しみにしていますわね。再見!


Photograph by Subalu Tukishilo

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